かなり人気にならないと成立しないね。
アイドルビジネスって。
IT業界と違って、
先に物理的に避けられないコストがかかるのがきつい。
衣装と楽曲や振り付けが用意できてからお披露目になるわけで、
先に発生するコストが大きい。
お金を先に回収してから、投資、という順番なら楽なんだけど。
しかし、あまりに革新的な手法は上手くいかないもんなので、
基本的には業界の標準には準拠した方が無難。
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アイドルビジネスについて引き続き考えていきます。
●大成功なホワイト運営の経費
衣装:年280万円
音楽:年460万円
MV:年200万円
振り付け:年300万円
歌レッスン:年340万円
ダンスレッスン:年200万円
演者:年8400万円
マネージャー:年2400万円
=合計:年約1億2000万円
(これでも、利益が出てるわけではない!)
としましょう。
●衣装
自分で衣装を作れる人なら、経費をかなり削減できます。
でも、材料費がかかるので、削減には限度がありそうです。
新しい学校のリーダーズみたいに、固定すれば安いです。
既製品に少し手を加えただけとかのグループもありますよね。
つなぎにロゴを入れただけみたいなのとか。
しかし、衣装をケチるとアイドルとしては切ない。
とはいえ、専門学校生レベルでも、
それなりに見栄えのするものは作れる気がする。
プロとアマの実力差がバレにくい気がする。
●音楽
メンバーが作詞作曲できれば、経費が減らせますね。
最近はAIがスゴイので、それを駆使すれば作曲はそこまで難しくないです。
これもプロとアマの実力差は出にくいと思います。
むしろ作詞の方が問題かも。
どちらかと言えば簡単そうに見える作詞ですが、
アイドルのコンセプトを構築するのは作詞の比重が大きい気がする。
録音が想像以上に金がかかりますね。
自宅に録音環境を構築してるマニアが居れば良いですが。。。
今の時代、CD化する必要も無いし、
最初から配信する必要があるのか謎です。
こだわって録音しても大して再生されないのだったら、
ライブ音源や生歌だけでとりあえず良いのではないかという気もする。
むしろその方が現場に来させる理由になるかも。
●MV
自撮り棒で街を歩きながら歌うだけのMVでも、バズるやつはバズります。
岡崎体育さんのバズったMVは6万円?で作られたそうです。
要するに、これも、アイデアがあるならどうにでもなる。
●振り付け
振り付けもメンバーが自分で考えられるのなら、経費は削減できます。
結局、創造性が無いとお金で解決せざるを得なくなるわけですね。
振り付けは、専門性は高くないけど、創造性が高くないとダメな気がする。
ラッキィ池田とかダンサーじゃないけど振付師ですよね。
●レッスン費
スタジオは借りる必要があるので、経費削減には限界がありますね。
ちゃんとした先生をつけるかつけないか、
これもクオリティには差がでますよね実際。
メンバーが専門家なら良いんですが。
先生をやれるほど歌やダンスに精通してる人は滅多に居ないでしょう。
歌やダンスが上手いことと教えることができることはぜんぜん違う。
歌やダンスの先生って、曲を作るより専門性が高い気がする。
歌やダンスの先生は創造性は低くても良いが、専門性は必要な気がする。
大成功ホワイトの計算で、
売上1.2億円で、収支トントン。
営業利益率20%を目指したら、売上1.6億円が必要。
まあでも、これくらい儲かるならビジネスとして旨味がある。
しかし、1本の現場で230万円稼ぐペースだから、
かなり厳しい道のり。
前回のブラックな試算でも、
一通りの1年間の活動の先行投資だけで1000万は掛かる。
ギャラや人件費抜きで。
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うーん。
AKB以降の接触系のアイドルや、
そういう流れがあっての地下アイドル、
みたいな市場は、
すでに20年くらいの歴史があって、
新規参入は難しいと言わざるを得ないですね。
ファンの側からの要求水準が上がってきてるので、
それに品質で応えようとすると、
コストが多くかかる。
結果として、一部の大企業運営の寡占と、
採算度外視やコンプラ無視のブラック運営の二極化、
ってところでしょうか。
Vtuberとかliverとか、
そういう新しい市場自体が立ち上がるタイミングで、
そこに全乗っかりする形でないと、
ビジネスとしては勝ち味が薄い。
まあ、生ハムと焼きうどん、みたいな、
独創性とゲリラ性があれば当たる可能性はありますが、
そこまで有能ならアイドルじゃなくてもなんでも成功するわけで。